昨年末、常連のお客様から「材料にこだわっていることを
もっとアピールした方が良いよ。もったいない。」と
強く進めて頂き、小さな張り紙をレジ横に貼るようになりました。
『カトルフィーユのパンはマーガリン、ショートニング、イーストフードは
使用しておりません。』
それまで何もしなかった理由としては、シェフ尚弘が
「わかる人は食べたらわかるから。」と頑固に言っていたからなのです。
ただ、言わなければ伝わらない事があるのも事実なので
2周年を迎えたころ、シェフに少し折れてもらいました。
その後、想像以上に張り紙に反応していただき、
しばらくしてから気づいたのですが、妊婦さんのご利用が急増しました。
妊婦さん同士の口コミで広がったようなんです。
私とシェフには予想外の嬉しい出来事でした。
「大人のパン屋」の「大人」の中に「ママ」が加わったのです。
「妊娠してから食生活に気を使い、マーガリン、ショートニングを
使っていないパン屋さんを探していた。安心して食べられる。」
と言って貰えた事がとても嬉しかったです。
確かに、食べたものが直接お腹の赤ちゃんの栄養に繋がりますもんね。
これからも安心して食べていただける
美味しいパンを作ろうという思いを強く感じています。
なぜマーガリン、ショートニングは嫌われるのか、、と言うと
この2つはトランス脂肪酸を多く含むので体に悪影響を与えます。
悪玉コレステロールが溜まっちゃうそうです。
もはや私の胸焼けどころの問題じゃないんですね、、、。
では逆になぜ使っているお店があるのか、、と言うと
マーガリンは安く安定した仕入ができるということ、
ショートニングはパンに「サクサク感」が出る、管理が簡単にできる事でしょうか。
イーストフードは酵母の発酵を促進させるので時短がメリットです。
安く大きく早くたくさんのパンを作りたい場合はこの3つが必要になります。
カトルフィーユには必要ではない3つなので使用しておりません。
でも、こうやって書いてしまうと「偉そうなこと言って」感が出てしまう
気がするので複雑な気持ちです。
ただ自分たちが食べたいパンを作れる範囲でつくっています。
コンビニやスーパーには安く大きくたくさんのパンが必要だと思いますし、
うちみたいな住宅街の小さなパン屋では丁寧に作ったパンが向いていると思います。
お客様がニーズに合わせてその都度選択していただくのが
一番なのだと感じます。
シェフの一言:発酵食品が好きです。パン、チーズ、納豆、キムチ・・・
ぱんだの一言:通っていただいていた妊婦さんが、数ヵ月後に
赤ちゃんと一緒にご来店いただけると、とっても幸せな気持ちになります。